ねこあしこんぶ詳細
ねこあしこんぶの詳細
- 学名:アルスロ サムヌス ビフィドス
(Arthro thamnus bifidus Arthro=関節のある、thamnus=低木、bifidus=2裂の、という意) - 呼称:ねこあし、ねこ、子別れ(釧路、根室)
- 分布
- 釧路町昆布森付近から根室市納沙布岬に至る太平洋沿岸まで
- 生態
- このコンブを見ることの出来るのは釧路、根室地方の沿岸だけで、葉体は線状、全縁、長さ1~1.5m、幅3~5cm、生育場所は外洋に面した岩礁域で水深5~7m程のところに群生します。このコンブには他のコンブとは違った色々な特徴があります。1年目の葉体は単条で一般のコンブと変わりませんが、2年目に再生するときは葉の基部の両側の耳形体(耳たぶ状)からそれぞれ新しい茎を持った新葉ができ、やがて中央の旧葉は分離して流れてしまいます。2年目以降も毎年同じ方法で規則正しく再生が行われるので、葉の数は毎年倍増し、古い葉体ほど茎が繰り返し二股状に連なってその先にたくさんの葉を持った大きな叢体になります。ネコアシコンブの寿命は4~5年と長寿命で、毎年葉の数を倍増させる方法で一種の栄養繁殖を行っているが、子嚢斑も形成して遊走子による繁殖も行っています。ただ本種の再生期も成熟期もともに真冬のためにその様子を見ることは難しいです。昆布漁の終わる10月頃が実入りが最も良くこの時期に採取されます。また、春4~6月に旧葉が脱落することを「子別れ」と呼び、大量に海岸に流れ着くのを拾い集め製品とします。
ネコアシコンブの由来はこのコンブの茎とそれから出る根の様子が猫の足のように見えることによります。
- 製品・用途
- 製品は「ねこあし長切」、「ねこあし頭」、「ねこあし加工用」。
マンニットを多量に含み、とろろ成分と甘味に優れる。とろろこんぶ、おぼろこんぶ、その他加工用原料として用いられます。